ヤマハ RZ250

2ストレーサーレプリカブームのきっかけになったRZ250

1980年代に、2ストレーサーレプリカブームと呼ばれるトレンドがありました。
そのブームのきっかけになったといわれているのが、ヤマハのRZ250です。
1980年6月に発売されたのですが、水冷並列2気筒エンジンを搭載していたのが大きな特徴でした。
これはTZ250というヤマハの市販レーサーと全く同じエンジンです。

当時バイクの世界では、2ストロークから4ストロークエンジンへの移行時期でした。
排出ガスの問題もあって、4ストへの移行は切実な問題でした。

この2ストのレプリカブームは結構長続きしました。
1990年代の半ばまで続いていったので、ブームの中では息が長いといえます。
さらにこのRZ250は、原付2ストのスクーターにおけるハイパワー競争のきっかけにもなっているといわれています。
このようにしてみると、バイク史の中でもエポックメイキング的な車種であることがお分かりでしょう。

今でも人気!RZ250の魅力を検証

1980年に発売されすでに40年以上経過しているRZ250ですが、いまだに根強い人気のあるモデルです。
なぜここまで人々を魅了するのか、それは2ストロークエンジンのスポーツモデルの中でも最終形態とみられているからです。
元々ヤマハは2ストエンジンに強みを持っていました。
しかし先ほど少しふれたように、排ガス規制の強化が進み2ストエンジンを続けるのが厳しくなりました。
そこでヤマハが「サイドの2ストスポーツ」と見据えて開発したのが、RZ250だったのです。

ヤマハはすでに、世界のグランプリシーンで活躍してきました。
その中で培ってきたノウハウを生かした水冷2ストエンジンは、パワーと排ガス基準の両立に成功しているのが特徴です。
しかも、軽量でシャープなハンドリングの可能なボディを組み合わせました。
ですから「究極の2ストバイク」と呼ばれるようになりました。

走行性能だけでなくデザイン性の高さもRZ250の魅力で、完成度の高いスタイリングは今なお根強い人気があります。
全体的にはシンプルなデザインですが、フロントからリアまで流れるようなフォルムはスタイリッシュな印象があります。
また色のコントラストも素晴らしく、さわやかなボディカラーとエンジンやマフラーをブラックにすることでメリハリの付いた感じに仕上がっています。

RZ250のスペック解説

RZ250のエンジンは、水冷2ストロークピストンリードバルブ並列2気筒エンジンです。
馬力は35PSで当時250ccクラスの中では、最強と評されていました。
大きさは全長×全幅×全高が2,080×740×1,085mmで、シート高は790mmあります。
また燃費はリッター当たり37.0kmでした。