キャブレターとは?

エンジンに混合気を送るキャブレター

最近はFI(フューエルインジェクション)のバイクが増えてきましたが、昔はバイクといえばキャブ車が一般的でした。
FIもキャブ(キャブレター)も、エンジンにガソリンと空気を混合させてた混合気を供給するための装置です。

FIは電気によって適切な混合器を判断し、エンジンに噴出して供給します。
一方、キャブレターは混合気がエンジンに吸込む形で供給する仕組みになっています。
エンジン内のピストンが燃料の爆発で押し下げられたときに、圧縮されていた空気が爆発して一気に膨張した空気が流れ込むため、そのときに一緒に混合気が流れ込んでくる仕組みです。
このような動きを、ベルヌーイの定理といいます。
つまりキャブレターとは、電気などを使わずに、ベルヌーイの定理を利用してエンジンを霧状にして空気と混合させる装置で、気化器とも呼ばれます。
いわば人力と物理の定理で吸気させるので、FIに比べてかなりアナログな装置ともいえます。
アナログなだけにキャブレターはシンプルな構造をしており、手入れがしやすい上に、アクセルのレスポンスが素早いなどのメリットがあります。
その反面、冬場はエンジンがかかりにくいなど環境に左右されやすいというデメリットもあります。

キャブレターはこまめに掃除を

キャブレターはバイクの部品のなかでも、非常に重要です。
こまめにキャブレターを掃除するなどメンテナンスをしていれば、エンジントラブルが起こりにくくなります。

ではキャブレターの清掃方法についてみていきましょう。
清掃用の洗剤には、スプレー式のキャブレタークリーナーがおすすめです。

まず、車体かららキャブレターを取り外します。
そしてパイロットスクリューを取り外し、スクリュー内部を洗浄します。
次にフロートチャンバーを取り外しましょう。
フロートチャンバーにはフロートピンやフロートバルブなどの部品が取り付けられていますが、これらをすべて取り外してクリーナーで洗浄します。
次に、メインジェットも取り外して洗浄します。

以上が、基本的な掃除の流れとなります。
徹底的に洗浄する場合は、パーツを全てオーバーホールして、洗浄液に漬け置き洗いします。

いずれにしても、キャブレターを分解するのである程度手間がかかります。
分解したものの、組み立てられない……というケースもありますから、キャブレターの構造をしっかりと確かめて、確認しながら分解していきましょう。
キャブレターは精密部品も多いですから、キズを付けないよう注意することもポイントとなります。
ブラシなどでゴシゴシこすらず、専用の洗浄剤で汚れを浮き上がらせて、やさしく洗ってください。
また、メンテナンスに自信がない場合は無理して自分で清掃せずに、販売店などプロに任せることをおすすめします。