シリンダーが1つのシンプルなエンジン
オートバイに搭載されているエンジンには、さまざまな種類があります。
エンジンにはには気筒(シリンダー)と呼ばれる円筒状の部品があり、これとピストンを組み合わせて注射器のような構造になっています。
エンジンがかかっているときは、気筒内では空気と燃料が混ざった混合気を吸気→圧縮→爆発→排気という作業が常に行われており、爆発時のエネルギーによって、ピストンが動きます。
そしてピストンの往復運動を、外部に取り付けたクランクという部品で回転運動に変えて、オートバイを駆動させているのです。
このシリンダーが1つだけのものを単気筒エンジン、2つ付いていいるものを2気筒エンジン、4つ付いているものを4気筒エンジンというふうに、気筒の数によって呼び名が異なります。
オートバイのエンジンでは2気筒や4気筒のものが多いのですが、なかには単気筒や6気筒のものもあります。
高トルクで力強く走る単気筒
単気筒エンジンはシリンダーが1つしかない、極めてシンプルなエンジンです。
シリンダーが1つしかないので、シリンダー本体を多くすることができるため、高トルクのエンジンとなり、力強い走行が実現します。
特に発進するときや加速するときに、非常に安定感があるのが特徴で、上りの坂道などでも、ゆとりをもって走行できます。
信号が多く、ストップアンドゴーを繰り返す街乗り用バイクに最適で、街乗りを意識したおしゃれなデザインのものが販売されています。
その一方で、エンジンの回転数が上がりにくい、最高出力が低い傾向にあります。
また、多気筒エンジンの場合は複数のピストンが、お互いの慣性力を相殺しますが、単気筒ではそれができないため、振動が大きくエンジン音も独特の振動音を発する傾向があります。
特に400ccなど大きめのバイクでは、体に響くようなトルクが感じられ、バイクの醍醐味を感じさせてくれます。
また、単気筒エンジンはシンプルな構造なので、エンジンの軽量化が実現すること、部品の摩擦抵抗によるパワーロスが少なく、エンジンの回転数をそれほど高めなくても力強く走るため、燃費が良いというメリットもあります。
単気筒バイクの種類
単気筒バイクで人気のモデルは、250ccではカワサキのエストレヤやホンダのGB250クラブマンなど。
400ccではヤマハのSR400、ホンダのCB400SSなど。
大型ではヤマハのSR500、ロイヤルエンフィールドのコンチネンタルGT、ヤマハのSRX600などがあります。
単気筒バイクにはレトロな雰囲気のデザインのモデルが多く、中古市場で質の良い単気筒バイクを探しているライダーは少なくありません。
自分の好みにカスタマイズするという楽しみ方もあり、愛着をもって乗り続けることのできるバイクといえるでしょう。