バイクの液晶メーターは何がすごい?

1970年代の普及しだした液晶メーター

現在のバイクをみると、多くの車種に液晶メーターが搭載されているでしょう。
液晶とはものの状態を指す言葉で、液晶時計や液晶テレビといわれると、比較的新しいアイテムという印象を抱くかもしれません。
しかし、液晶そのものはかなり早い段階で発見されていました。
オーストラリアの植物学者が1888年に発見しており、日本でいうと明治時代のころです。

しかし、液晶ディスプレイが誕生するまでには実に80年以上の歳月を要しました。
液晶の基本原理が発見されるまでに、30年以上の歴史を必要としました。
1968年にDSM方式のLCDが発表され、こちらが液晶ディスプレイの普及のきっかけになりました。
LCDの登場によって、ブラウン管に代わる次世代のディスプレイになるのではないかと注目を集めるようになったのです。

1970年代には電卓や腕時計をはじめとして、液晶表示できるような製品がどんどん出てくるようになりました。
バイクにもその傾向が波及して、1980年代に入るころにはメーターの文字盤に距離や水温を液晶表示できるようなメーターが主流になっていきました。

TFT液晶は従来と何が異なる?

現在バイクの世界では、液晶メーターが普通に搭載されています。
しかも近頃注目を集めているのが、TFT液晶ディスプレイです。
徐々に普及し始めていて、業界では注目の存在になりつつあります。

TFTとは、「Thin Film Transistor」の頭文字をとったものです。
薄膜トランジスタを使った、アクティブマトリックス方式の液晶ディスプレイという意味です。
従来のLCD液晶の場合、決められたことしか表示することができませんでしたが、TFT液晶の場合は異なる表示も可能です。

イメージとしては、タップやスワイプすると画面が自由自在に変わるスマホの画面のようなものと考えればいいでしょう。
切り替えることによって、液晶ディスプレイに様々な情報を表示できるようになりました。
TFT液晶ディスプレイは2010年代ごろから徐々に普及していきました。
主にヨーロッパのバイクメーカーで、スーパーモデルに搭載され始めていきました。

近年では国産車でも普及が広まってきています。
国産車でTFT液晶ディスプレイの搭載されている車種の代表格は、ホンダのCBR1000RR-Rです。
1990年代になって、TFT液晶の製造技術が進化して低コスト化が進みました。
そんなこともあって、バイクでも導入が進められているわけです。
従来のLCD液晶と比較して反応時間が短く解像度が高いので、いろいろな情報を切り替えられ、見やすいので今後も普及が進められるとみられています。